滋賀県議会9月定例会議 一般質問 質問&答弁②
滋賀県議会9月定例会議 一般質問
質問&答弁②
◉(仮称)パートナーしがプラン2030について
【質問 中沢】
次に、「(仮称) パートナーしがプラン2030について」男女共同参画・女性活躍推進本部長の岸本副知事に、以下、伺います。
滋賀県では、令和3年に滋賀県男女共同参画計画と滋賀県女性活躍推進計画として「パートナーしがプラン2025」を策定され、現在、来年度からの2030年までを期間とした次期プランを策定中です。報道によると、帝国データバンク滋賀支店の調査では、2025年の県内企業の女性管理職割合は8.6%前年比0.1ポイント低下。女性役員割合も11.0%と3.1ポイント低下し、ともに全国平均を下回っています。男女共同参画を進めるためには、あらゆる分野での取り組みが必要ですが、特に働く場について、まず、現計画の成果と課題をどう分析しているのかお伺いします。
【答弁 岸本副知事】
(仮称)パートナーしがプラン 2030 における4点の御質問についてお答えをいたします。 まず、1点目、現計画の成果と課題の分析につきましては、例えば、令和2年 2020 年の国勢調査によりますと 25~ 44 歳の女性の就業率は、この5年前と比べ、5.7 ポイント増の 76.9%、また令和6年 2024 年の労働条件実態調査によりますと男性の育児休業取得率は、4年前と比べ、37.5 ポイント増の 52.0%になるなど、本県における男女共同参画は着実に進展していると認識をしております。一方で、議員御指摘のとおり、令和6年の賃金構造基本調査における本県の男女間の賃金格差は、男性を 100 とした場合、女性は 75.1%と、全国で 10 番目に格差が大きい状況にある等、他の都道府県と比べますと、働く場における女性活躍において、本県は様々な課題を抱えており、重点的に取組を進める必要があるものと考えております。
【質問 中沢】
滋賀県は従来から女性の労働力率が25〜44歳で落ち込むM字カーブが深い傾向があり、この世代の無職女性の66.7%約2万人が就労を希望されています。女性の有業者に占める非正規の割合は、男性と比べて32.9ポイントも高い53.1%で、正規職員を「希望する」「条件が合えば希望する」と答えた人は73.8%となっており、そのうち48%が正規職員として働いていない理由に「妊娠・家事・育児・介護等家庭の事情で、フルタイムや残業、休日出勤などの働き方が難しいため」と挙げています。
男女間賃金格差は、男性を100とした場合、女性は75.1%であり、全国で10番目に格差が大きいとの結果です。これらを踏まえると、男女の役割分担意識を変える必要性も感じます。妊娠出産の時に「アフターバースプラン」に取り組むことで、家庭から具体的に夫婦でお互いに理解し、支え合う事も大切だと感じます。また、経営者や本人や周りの意識改革も大切ですし、民間の皆さんの協力も欠かせません。働く場において次期プランで重点的に取り組もうとされる内容と、具体的な今後の対応について伺います。
【答弁 岸本副知事】
次に、2点目、重点的に取り組む内容と今後の具体的な対応につきましてでございますが、次期プランの骨子の中で は、目指す姿の一つとして「性別にかかわらず一人ひとりが 働く場で活躍できる社会」を掲げておりまして、企業での取組や女性の就職・再就職・起業への支援、女性のキャリア形成支援、誰もが働きやすい環境づくりなどの取組を位置づけているところでございます。その中でも、例えば、企業の取組を 32 項目で総合的に評価をする「滋賀県女性活躍推進企業認証制度」の更なる普及拡大や、女性起業家の事業継続や拡大を支援するための、女性起業家のネットワークづくりなどを重点的に進めてまいりた いと考えております。加えまして、働く場における女性活躍を進めるためには、パートナー間の理解や支え合いが必要不可欠となりますので、議員御提案の産後の生活を具体的に計画する「アフター バースプラン」に取り組むことの重要性も含め、男性の家事 ・育児・介護等の参画の促進に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。
【質問 中沢】
一方、国では独立行政法人男女共同参画機構法(以下「機構法」といいます )及び独立行政法人男女共同参画機構法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律が本年6月に成立しました。機構法の趣旨は、「基本法の施行から25年、我が国の男女共同参画の現状を見ると、意思決定過程への女性の参画、女性の経済的自立等、なお一層の努力が必要とされている。こうした現状に鑑み、国の実施体制を強化するため、男女共同参画に関する施策を総合的に行う「ナショナルセンター」として機構を新設する。また、機構に「センターオブセンターズ」としての機能を付与し、地域における諸課題の解決に取り組む各地の男女共同参画センター等を強力に支援することで、女性に選ばれる地方づくりを後押しする。」としています。また、関係法律の整備等に関する法律では、国及び地方公共団体の基本的施策の強化及び男女共同参画センターの法的位置付けの項目に連携及び協働の促進が新設され、「男女共同参画社会の形成の促進を効果的に推進するため、関係者相互間の連携と協働の促進に必要な施策を講ずるよう努める。地方公共団体は、関係者相互間の連携と協働を促進するための拠点(男女共同参画センター)としての機能を担う体制を、単独または共同して確保するよう努める。」とされています。県としても、各市町と連携し、支援していくことが求められると考えますが、今後の連携と支援について伺います。
【答弁 岸本副知事】
次に、3点目、市町との連携と支援についてでございます。 昨年度実施しました県民意識調査では、日常生活の中で男女の不平等を感じるところは、「地域社会」であるという回答が最も多い結果となっております。地域での男女共同参画を推進する上で、住民に最も身近な基礎自治体である市町の役割は重要であると認識しておりまして、本県といたしましては、市町主管課長会議や研修会などを通じて、市町との連携体制の強化に取り組むとともに、 地域で活動する多様な人材や団体の育成に取り組んできたところでございます。また、議員御指摘の法改正を見据え、市町の取組体制の強化に向けて、現状と課題を改めて把握するとともに、新たな財政支援制度の創設を国に対して提案してきたところでもございます。引き続き、地域の実情に合わせた男女共同参画の取組が進みますよう、市町や関係者の声も丁寧にお伺いし、また、国の動向も見ながら、県として必要な役割を果たしてまいりた いと存じます。
【質問 中沢】
また、知事は、令和8年度に向けた施策構築の柱に、「ジェンダーギャップの解消、人権尊重の社会づくり」も掲げておられます。施策を進めるには予算の裏付けも重要ですし、県庁内での部局を超えた連携や取り組みが大切だと考えます。知事は、ジェンダー平等債の発行を目指しておられましたが、その目的と期待する効果とスケジュール、併せて、男女共同参画推進のための予算の方針について伺います。
【答弁 岸本副知事】
最後に、ジェンダー平等債の目的と効果、スケジュール、
男女共同参画を推進するための予算の方針についてでございます。
ジェンダー平等債は、次期プランが目指すジェンダー平等社会の実現に向けて、男女共同参画に対する社会的関心を呼び込み、理解と共感の輪を広げることを目的としております。そのため、次期プランに基づく目標達成と連動させた「サスティナビリティ・リンク・ボンド」を発行手法として、多くの投資家の賛同と参画を期待しているところでありまして、次期プラン策定後の効果的なタイミングで発行できるよう、今後、発行のとりまとめを担う証券会社の選定を進めるなど、スケジュールの具体化を図ってまいります。また、次に来年度予算の方針につきましては、男女共同参画・女性活躍推進本部長である私の方から、新たな施策の検討や事業実施にあたり、固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込み、いわゆるアンコンシャス・バイアスの解消につながる啓発・教育、広報をはじめ、各分野でジェンダー・ギャップを解消する取組を推進するよう配慮するとともに、既存施策にあっても同様の視点で再度確認するよう、各部局に 指示をしたところでございまして、性別にかかわらず一人ひとりが幸せを感じられる滋賀の実現を目指し、ジェンダー平等に向けた取組を加速してまいりたいと存じます。
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