滋賀県議会9月定例会議 一般質問の質問と答弁①
滋賀県議会9月定例会議 一般質問の質問と答弁①
滋賀県議会9月定例会議 一般質問の質問と答弁①
育休と多胎児等の出産について
【質問 中沢】
まず、「育休と多胎児等の出産について」伺います。
子どもを授かったら、お母さんには幸せな出産をしていただきたいと思いますし、周りの方も「おめでとう」と気遣いなく育休の取れる環境でいてほしいと願っています。
まずは、ふたごや三つ子など多胎児の出産について、以下、伺います。
リトルベビーのおりには、三日月知事にお母さんの気持ちにも寄り添っていただき、素晴らしいリトルベビーハンドブックとネットワークができました。その時、多胎児にも触れていただいていました。胎児が複数の多胎妊娠は、胎児が一人である単胎妊娠に比べ母体への負担が大きいため「ハイリスク妊娠」といわれています。急速に大きくなるため、早い時期から内臓や腰への負担もあり、貧血や切迫早産も起きやすいそうです。また、経験者が少なく、単胎児と同じように扱われ、多胎妊娠のリスクを理解されていなく、両親等とのやり取りでも悩むことが多かったとの声もあります。育児についても、ふたごは2倍ではなく2乗、三つ子は3乗と言われますが、高齢化・核家族化によって育児支援不足になる人が多いと言われています。授乳も2人同時も大変ですが、二人の時間がずれて眠る時間もないというのも大変です。パートナーが理解し、一緒に子育てや家事に取り組むことも大事で、アフターバースプランの活用も大切だと思います。
虐待死は0歳児が最多で、主な加害者は実母です、多胎育児家庭の虐待死は単胎の2.5〜4.0倍の報告があります。これは、多胎妊娠・出産に関する情報が少なく、妊娠期から不安を抱えていることや、多胎妊娠中に体力が低下し、回復しないうちに小さく生まれたふたご等の子育てが始まるが、家族の支援のマンパワーも足りないこと。更には、出産後は子育てと自分の生活で精一杯になり、情報が得られにくく、心の余裕もないこと、外出するハードルも高く、引きこもりや孤立する傾向にあることも要因となっているのではないでしょうか。だからこそ、すべての多胎妊娠の方に妊娠初期からふたご手帖が手元に届く事が大切だと考えます。通常の(単胎児を想定した)母子健康手帳では充分に対応できず、ふたご手帖を活用することで、多胎家庭ならではの妊娠期・出生後の年月齢別の生活課題、育児課題とその対処法を提供することで、育児の見通しがつきやすくなり、育児不安の予防や軽減に有効と言われています。多胎育児は負担が大きく、多胎家庭の実情に合わせた情報提供が必要です。幸い、滋賀県には、滋賀多胎支援サークル ツインクルザウルスがあります。なんと1994年に、代表の双子が生後6ヶ月の時に設立され、3組からスタートされ31年間で延べ220組ほどの多胎ファミリーと活動してこられました。その代表からも「笑顔でふたご育児をするために、ふたご手帖を全多胎妊婦さんの手元に届けたい!」との声を伺いました。現在、佐賀県、岐阜県、三重県がふたご手帖を配布されています。令和5年の滋賀の出産件数は9280件、そのうち多胎出産は145件。経験者が少ない中、正確な情報提供が重要です。滋賀県の多胎児の出産の状況をどのように捉えておられるのか、安心して笑顔で出産育児をするために妊娠初期から正確な情報を知っていることが大切だと考えますが、子ども若者部長のお考えを伺います。
【答弁 子ども若者部長】
私にいただきました 1 点の質問にお答えいたします。滋賀県の多胎児の出産の状況について、でございます。多胎妊娠の場合は、単胎妊娠と比べまして、妊娠中の合併症が起こりやすいことや、同時に2人以上を妊娠・出産・育児をすることなどから、ご両親等の身体的、精神的な不安や負担も大きいという認識をしております。多胎妊娠の方に対しては、こうした不安や負担を軽減し、安心して出産・育児を行っていただけるよう、市町や産科医療機関におきましては、妊婦健診の回数を通常よりも多く行うなど手厚い支援を実施していただいているところでございます。一方、母子健康手帳交付の際に合わせて渡されます「副読本」等の記載情報につきましては、単胎の場合を基本としておりますことから、多胎の妊娠や育児について、情報の充実が必要であると認識しております。ご紹介いただきました「ふたご手帖」の活用も含めまして、多胎妊娠についてわかりやすい説明や育児のアドバイスといった当事者にとって有用な 情報の提供について検討してまいりたいと考えてございます。
【質問 中沢】
リトルベビーの時も、数が少ないからこそ、全県でつながることが大切だと考えていました。滋賀県がふたご手帖を配布することで、妊娠期から産後までの一連の流れ・情報共有ができます。
ツインクルザウルスでの交流では「お友達づくりの場」として、みんなで子育てができます。また、現在、ピアサポート事業を立ち上げようとされています。多胎妊娠された方には、特に、妊娠中から、産後のサポート、切れ目のない支援と関わりが重要と考えますが、知事のお考えを伺います。
【答弁 知事】
4 点うち、私へは多胎妊娠された方の切れ目のない支援についていただきました。
多胎妊娠は妊娠中や分娩時のリスクが高く、また、出産後 も育児の不安や負担が大きいため、切れ目のないきめ細かな支援がより重要と考えております。多胎児を妊娠、出産された方に対しましては、市町が主体 となって、相談対応や家事・育児支援、交流会などを実施しているほか、様々な支援団体等が、ピアサポートや助産師等による相談といった支援を行っていただいております。妊娠中から産後の切れ目のない支援の一翼を担っているこれらの団体に対して、県では昨年度から「不安・悩みを抱え る家庭支援事業」により支援を行っております。この事業を通じて、多胎妊娠された方の支援のネットワークも広がり、 地域における活動が充実していくことを期待したいと存じま す。
【質問 中沢】
次に、育休について、以下、伺います。
昨年6月定例会議で「育休について」質問しました。男性職員の育児休業取得率は、2023年度には77.4%、このうち1ヶ月以上の取得者は、69.5%とのことでした。女性は更に長期間であり、リトルベビーや多胎児であれば一層長期化する場合もあります。育休を安心して取れるのは、代わりに業務を担う人がいるからこそです。滋賀県職員の育児休業取得の状況と、その仕事を受ける職場の現状、今後の取り組みを総務部長に伺います。
【答弁 総務部長】
育休と多胎児等の出産について4点のご質問のうち、私にいただきました2点のご質問にお答えいたします。 1点目の職員の育児休業の取得状況等についてでございますが、令和6年度は、男性職員 76 名を含みます 121 名が新たに育児休業を取得され、男性職員の育児休業取得率は 89.4%に達したところでございます。各所属には、育児休業の期間等を勘案して、正規職員や任期付職員等による代替職員が配置できるように努めているところではございますが、短期間の育児休業や採用困難な技術職などで代替職員が確保できない場合もございまして、事務の割り振りを工夫していただきつつ、周囲の職員にカバーいただいているところでございます。
このため、短期の育児休業等に対応することを目的に、令和6 年度から、ワーク・ライフ・バランス枠として人員を各部局に増員する取組をはじめたところでございますが、今後この取組の段階的な拡充をはじめ、様々な工夫を凝らしながら、引き続き代替職員の確保に努めてまいりたいと考えております。
【質問 中沢】
昨年、知事は育休が、「特定の職員に頼らない、チームとして柔軟、効率的に機能する職場となるきっかけとなることや、多様な人が働きやすい魅力ある職場として、優秀な人材の確保につながることなどにも期待している。」「幸せにつながるということはまず大前提として期待したい。」と答弁されました。
快く送り出す環境整備には、人的補充は不可欠です。ただ、技術職や専門職など、すぐに補充が難しい場合周囲の負荷が大きくなります。せっかくの喜ばしい出産なのに、残された職場の方々が喜べないのは、本末転倒です。和歌山県では、育休や病休で1か月以上休む職員の業務をカバーした職員に、勤勉手当の成績率を月0.05か月分加算する制度を導入しています。複数人で分担した場合は所属長が按分します。課題はありますが、不公平感の緩和や男性育休促進に有効な工夫です。滋賀県でも導入を検討すべきではないでしょうか。育休取得の促進と良好な職場環境を作るためにも、滋賀県でも制度の導入を検討すべきと考えますが、総務部長のお考えを伺います。
【答弁 総務部長】
2点目の勤勉手当の加算制度についてお答えいたします。 本県では、育児休業中の業務をカバーして、円滑な業務遂行に貢献した場合、人事評価制度の中でその貢献を適切に評価することとしておりまして、現行制度におきましても貢献が大きい場合は、一定、昇給や勤勉手当への反映につながっているものと認識しております。現時点では、現行制度の中で職員の負担に応えたいと考えていますけれども、増え続ける育休取得者に対しまして、業務をカバーする職員の方も増加しておりまして、その頑張りに対して現行制度で十分応えられない部分につきまして、どう応えるかについて今後の課題と認識しているところでござ います。まずは、議員からもご紹介がありましたが、他の都道府県の事例などを調査しますとともに、職員の勤務条件に関することでございますため、職員団体との話し合いの場において意見を聴いてまいりたいと考えております。
【質問 中沢】
今後、当事者の声を直接聴いていただきたいが いかがでしょうか
【答弁 知事】
私は妊娠も出産も自身で経験したことはありませんし、連れ合いの妊娠・出産に寄り添っていても、1 人も大変でした が、ありがたいことに2人も3人も一度に妊娠・出産される その大変さとかそういったものはまだまだ存じえないことも ありますので、限られた時間だと思いますが、どういう形で 話を聞くことが出来るのか考えていきたいと思います。
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